高齢歯科とは?

高齢者歯科(こうれいしゃしか)は、歯科の診療科の1つ。標榜科名として認められていない[1]ので、大学病院等において、院内標榜科・専門外来の名称として使用されている。一般に高齢者歯科医学・老年歯科医学といった学問体系を基盤として高齢者(65歳以上)を対象として、心身の加齢変化や多くの基礎疾患を配慮したうえで高齢者歯科医療・老年歯科医療が行われる。
小児歯科があるように高齢歯科が存在すると思って頂いて問題ありません。

高齢者のお口の中の特徴

加齢は運動能力や免疫力、記憶力の低下など、身体の様々な部分に変化を及ぼします。口腔(口の中)も同様です。歯や歯肉、顎、唾液腺、口腔粘膜などにも加齢に伴う変化が数多くみられます。 中でも口腔の変化として顕著なのは、残存歯の減少です。成人期には親知らずと呼ばれる大臼歯を除くと28本あった歯が70歳代後半には平均で10本以下まで減少してしまいます。一般的に20本以上の残存歯があれば、ほとんどの食べ物を噛みくだくことができ、美味しく食べられると言われていますが、実際は60歳前後から平均で20本の残存歯が保たれていない状況です。このことから、残存歯が20本を下回る60歳前後からは、摂食に何らかの不都合が生じ、摂食量を減少させる可能性があり、知らぬ間に低栄養をまねくことがあるのです。 加齢は、残存歯に対しても変化を及ぼします。高齢者の歯は長年、食べ物を噛んできたため、歯の噛む面(咬合面)がすり減り(咬耗)、長年の誤った歯磨きなどによっても摩耗しています。歯そのもののの形状の変化は、歯並びを変化させ、顎のスムーズな動きや咀嚼にも影響を及ぼしてしまうのです。


歯周病による歯の欠損

高齢期に歯を失うの本数が増える最大の理由は歯周病の増加です。歯周病は、P. ジンジバリス(グラム陰性嫌気性菌)をはじめとする歯周病原細菌による感染症です。40歳を過ぎた日本人の80%は、歯周病にかかっていると言われるほど多い疾患です。通常は、生体の免疫作用により活動を抑えこまれていますが、疾病や疲労、ストレスなどにより免疫力が低下し、環境が悪化すると、歯周病も悪化します。いわゆる日和見感染で多因子性の疾患です。歯周病の悪化は歯の周辺組織にダメージを与え、放っておくと歯を失う結果をまねき、正常な食事の妨げにつながります。


お口の中の健康を保つには

日常生活の中で、第一の口腔ケアは、歯磨き(ブラッシング)です。歯を失う恐れのある口腔の二大疾患、むし歯(齲蝕)と歯周病は、食べ物のカスと細菌が結びついたネバネバとした物質、プラーク(バイオフィルム)が原因です。プラークはうがいなどでは取り除けないため、プラッシングによる機械的な除去が必要です。毎日のブラッシングによるセルフケアが口腔疾患の最大の予防です。

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